【栄養素を学ぶ】バランスの取れた食事を考える その2

健康

【栄養バランスの偏り】バランスの取れた食事を考える その1の続きです。


比べて栄養バランスを考えてみた

今回は国立健康・栄養研究所から数値を参照して考えました。
2018年と2001年の食品群別摂取量を比べてみたところ、緑黄色野菜、魚類の摂取量が減少していることがわかりました。
栄養素では、男女ともにビタミン類の摂取量の減少が認められました。

特に女性に見られるのは「全体的に栄養の摂取量が減少している」ということです。「痩せる」のは健康的に生きる上でとてもよいですね。

ですが、何事もやりすぎは危険です。
大切なのはバランスであり、取らなくてはいけない栄養をバランスよく摂取していかなければ本当に健康になることはありません。

特に顕著なのはビタミンAの摂取量の減少です。ビタミンAは主に「肌の健康維持、視覚の暗順応、粘膜保護」という役割を持ちます。
2001年は摂取量が1000μgRE弱の摂取量に対し、2018年には500μgREにまで減っています。

女性にとってダイエットをして痩せるということは美容にとって、とても大きな役割を担うものであると理解しています。
しかし、ダイエットをして痩せてきれいになるために食事を減らす。
その結果肌に悪いことを自らしてしまう傾向があるのです。


なんの栄養素を取ることがバランスの良さにつながるのか

栄養のバランスに注意して食事をしよう!!と言っても、具体的にどうすればいいのでしょうか
簡単に言うと「主食、主菜、副菜の種類を多くする」のがよいでしょう。

前述したように、「特定の栄養素を積極的に取る」ことも身体にとってよいことではありません。
「いろいろな食材を食べる=いろいろな栄養素を摂取する」ということになり、「栄養バランスのとれた食事」になるのです。

日本には古来から「一汁三菜」という言葉があります。
「ご飯に汁物、3つのおかず」がある食事ですね。

ひとり暮らしをしていたら、なかなかここまでの食事をとることは難しいでしょう。
家庭を持っていても毎日用意するのは、大変な労力を伴います。

主食→食事のメインになるもの、米やパンなど主菜→メインになるおかず副菜→主菜をおいしく食べるための補助的なもの汁物→みそ汁など
ということですね。
主菜を肉にしたのなら、副菜で野菜を多めにする。と考えるのがよいでしょう。

主に主菜はタンパク質であることが多いので、魚と肉になることが多いでしょう。
そのため、副菜に野菜を積極的に使って栄養のバランスを取りましょう。

例えば、豚の生姜焼きを主菜にした場合は、副菜にほうれん草の胡麻和えやきゅうりとわかめの酢の物にする。

こうして、バランスを取っていくのが簡単です。
その際に副菜を作り置きできるものにしておくと、日々の家事が楽になるでしょう。

栄養バランスを保つために取るべき栄養素とは?

一般的にエネルギー源となる5大栄養素と呼ばれるものがあり、その栄養のバランスが取れている状態を「栄養バランスが取れている」といいます。

5大栄養素とは

  • タンパク質
  • 糖質
  • 脂質
  • ビタミン
  • ミネラル

を一括りにしたものです。

これを取っていれば健康だ!!ということになると言われていますが、正直これだけ聞いてもよくわからないですよね。
というのも、ここまで書いた中でも、ビタミンAだとか亜鉛だとか鉄分だとか、いろいろなものが出てきました。
ビタミンAは5大栄養素のビタミンに入るのはわかるのだけど、ほかのものは一体どこにはいるのでしょうか。

簡単に説明すると、タンパク質、糖質、脂質は3大栄養素とも呼ばれ、「体内でエネルギーを作ったり、体の組織を作る働き」をしています。
それに対し、ビタミン、ミネラルは「身体の調子を整える働き」をしています。

上に書いたように、亜鉛や鉄分の摂取量が減少すると貧血になったり味覚障害を引き起こします、亜鉛や鉄分は「身体の調子を整える働き」ということですね。

それぞれの栄養素の働き

それぞれどんな栄養素があるのか確認してみましょう。

タンパク質

筋肉や内臓、髪など体を構成するために必要な栄養素です。
タンパク質は体の中でアミノ酸へと変化します。
DNAなどの遺伝子情報もアミノ酸で作られるなど、人間にとってはなくてはならないものですね。

アミノ酸には人間が作り出せるものとそうでないものがあります。
人間が作り出せないものは「必須アミノ酸」と呼ばれます。
よく言われる「良質なタンパク質」とは、この必須アミノ酸を多く含んでいるものということです。

糖質

糖質を摂取すると体を動かすためのエネルギーになります。
糖質は摂取しすぎるとエネルギーとして摂取されなかった分が中性脂肪として蓄積されます。
糖質を取ると太る、というのは運動などで消費しないで糖質を取ると太るということですね。

糖質をエネルギーに変えるときにはビタミンB1を、中性脂肪に変えないようにするためには食物繊維をそれぞれ摂取すれば問題ないでしょう。

脂質

脂質はエネルギーとして主に使われますが、臓器や神経などを構成したり、ビタミンの運搬を助ける働きをします。
体温を保ったり、肌にうるおいを与える働きもあります。

脂質が減少するとホルモンの働きを正常に保つことが難しくなります。
特に女性ホルモンの働きに強く影響を及ぼすため、身体の脂肪を減らしすぎるのには注意してください。

ビタミン

3大栄養素と違って体を構成するものではありません。
ミネラルと共に「身体の調子を整える働き」ためには必ず必要な栄養素です。
血管、皮膚、粘膜、骨などの健康を保つために必要です。

水に溶ける 「水溶性ビタミン」と、油に溶ける「脂溶性ビタミン」があります。

  • 水溶性ビタミン
    ビタミンB1、B2、ナイアシン、パンテトン酸、B6、B12、葉酸、ビオチン、C
  • 脂溶性ビタミン
    ビタミンA、D、E、K

ビタミンは13種類あり、内訳はこのようになります。

水溶性ビタミンは水に溶けてしまうため、尿などと一緒に排せつされてしまうため、日常的に摂取する必要があります。

ミネラル

ビタミンと共に「身体の調子を整える働き」栄養素です。
栄養素として認められているミネラルは16種類ありますが、厚生労働省が摂取基準を設けているのが、そのうちの13種類です。

1日の摂取量が100㎎以上取ることが望ましいものを「主要ミネラル」、100㎎未満でよいものを「微量ミネラル」とわけることができます。

  • 主要ミネラル
    カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム
  • 微量ミネラル
    鉄、銅、亜鉛、セレン、ヨウ素、クロム、モリブデン、マンガン

「鉄とか銅とか金属の名前はいってるけど、そのへんの舐めたら栄養取れたりするの?」

と思う方もいるでしょう。
結論は「取れます。」

ミネラルとは、そもそも地球上に存在する元素のうちの水素、酸素、窒素、炭素を除いたもののことです。
その中で人の体の中に存在し、栄養素として存在しているものが16種あるのです。

中華鍋など、鉄製食器は料理をしているうちに鉄分が料理に溶け出るので自然に鉄分を吸収することができます。
古代ローマでは鉛を食器や甘味料として多く摂取していたため、鉛中毒になってしまったり、日本でも白粉に鉛が使われていたせいで歌舞伎役者が鉛中毒になってしまったという事件もありました。

日常そばにある金属は一定の条件を満たすと体に吸収される、ということですね。


続き→【おすすめ食材編】バランスの取れた食事を考える その3

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