専門性と考える力

もちろん先に話したようにテレワークを行うことのできる業種とできない業種はあります。
その中でも問題は山積みでしょう。
では「働き方改革」を行う上でどんな企業が発展することができるでしょうか
それは次に上げるふたつだと僕は考えます。
- 専門性の高い業務を行う企業
- “考える力”がある人が集まる企業
専門性の高い企業はテレワークを行わなくても生き残ることが可能だと思いますが、これからはより顕著に現れると思います。
働く人間がインターネットという媒体で業務をすることが当たり前になると、一般消費者はいま以上にインターネットを使っていることでしょう。
そうすると「比較、検証」ということが今以上に簡単になります。
いままでは「実際に店舗に向かい担当者と話す→限られた時間、少ない情報から比較検討する」という消費の形があったと思います。
インターネットの普及と共にその機会は減る傾向にありましたが、すべてをインターネット上で完結する社会が出た場合はそれがさらに減るんじゃないかということです。
店舗に行って比較し合うということは自分の目で見て実物を確認するということは単純に楽しいですし、直接担当者と話すということで商品に対する信頼度もさらに上がると思います。
しかし、それをするのは思ったよりも大変です。
そこで「他社にない強みを持つ専門性の高い企業」があった場合はそちらを選びますよね?
値段だったり、クオリティだったり
その専門性の形はいろいろとあると思いますが、「鋭く差別化された企業」はどんな社会のあり方の中でも必ず生き残ってきました。
そしてそれは個人においても同じことだと思います。
では「考える力がある人が集まる企業」とはどういうことでしょうか
単純な話で「専門性を持ち、差別化する」ということは簡単にできることではありません。
例えば僕がいた飲食業界では「専門性を持ち、差別化する」ためにはあまりにも多くの時間と、知識と、努力が必要でした。
一口に料理といってもイタリアンなのか、フレンチなのか、和食なのか、はたまたエスニックなのか中華なのか
ジャンルはあまりにも多くあり、競合となる店舗は無数にありました。
その中で専門性を持つということがどれだけ難しいことなのかを想像するのは容易いと思います。
技術がなければ始まりませんから。
そしてその中で差別化するとなると、決めたジャンル以外の調理方法を取り入れるなど既存のものと既存のものをうまく掛け合わせたり、全く新しいことを始めたりする必要があります。
そこに必要になるのが「考える力」でした。
知識がどれだけあろうと、技術がどれだけあろうと、それを上手に使うためには“考える力”がなくては活かすことができません。
いま行なっていることをさらに高いレベルにするためには、疑問に思ったり、解決策を出す“考える”ということが必要です。
そしてそれはひとりで行なっていては解決しませんでした。
そもそもひとりで考えていても問題は解決するようなものではなかったのです。
チーム全員が“考える”必要がありました。
考える力がある人が集まる企業はなにが違うのか
それぞれがいまある問題に対して本気で考え、話し合うことができればひとりではできなかったことも簡単に解決できるのだと僕は思います。
ひとりでも「上から言われたことをとりあえずやればいいや」という思考停止をしている人がいたら問題の本質は解決できません。
少なくとも僕がいたチームではそうでした。
僕は自分を優れたリーダーだったとは思いません。
ですが例え優れたリーダーがいなかったとしても、全員で考えて、全員で行ってきたからいままでいろいろな壁を乗り越えることができました。
“考える”、ということの力は決してバカにできないのです。
そして会社にいる全員が同じ問題を本気で考えることのできる企業というのは絶対に生き残れると僕は思います。
規模が大きくなれば大きくなるほど「全員が考えて動く」のは難しいことだと思います。
そしてテレワークで働くとなると意思疎通が難しくなる、という側面があるためそれはさらに難しくなるでしょう。
ですが、「考える力を持つ人が集まる企業」はどんな問題も必ず乗り越えることができるでしょう。
自分の価値を上げていく

ではさらに細かく見てみましょう。
- 専門性の高い業務を行う企業
- “考える力”がある人が集まる企業
が生き残るのであれば、どうやったら個人は生き残れるのでしょうか
それは「価値の高い人」です。
僕は飲食業界で13年働いてきました。
高校を卒業してからずっとです。
最初は年収でいうと240万ぐらいのものでした。
そして13年働いて、必死に努力して、最後は400万ほどの年収でした。
13年の努力は160万円分の価値だったわけです。
それを高いと見るか低いと見るかは個人差があると思います。
ですが、僕はこの現実に愕然としました。
「13年もかけた努力は160万しか産んでいないのか」と
しかもそれは「飲食業界という様々な業界の中のひとつ」でしか評価されないものでした。
「高校卒業したてのなにも知らない、なにもできない人間」と「13年かけて努力した人間」は160万円分の差しかなかったんです。
職種によってはすぐに超えられてしまうようなレベルです。大学を出て2年目の人でも僕より稼いでいる人はいるでしょう。
僕が必死になって積み重ねたものは、社会的に見たらその程度の価値しかなかったなかったことに愕然としたんです。
そしてそれは今回の新型コロナウイルスのようなことが起こると簡単に働くことができなくなるようなものだったんです。
あんなに好きだったことが社会から否定されたようにすら思いました。
そこで自分の価値を上げるということは絶対に必要だと感じたのです。
例えばどうしても「飲食業界が好きで、こんなことがあってもずっと働きたい」という人はもっと専門性を磨くべきです。
独創的なメニュー、サービスを打ち出す。
他の人に簡単にできない力を身につけることが自分の市場価値を上げることになるのです。
ただ、違う記事でも書いたように「正解はひとつじゃない」と思います。
僕はたまたま味覚障害になってしまったということもあり、飲食業界から身を引くことになりました。
そして転職活動をする上で違う業界に挑戦することになった際に思い至ったことでした。
飲食という行為を取り上げられてしまった場合はそう思ってしまったというだけです。
それさえなければ僕は自分が積み重ねてきたものを今でも誇りに思っていたでしょう。
飲食業界というものは業界の中でも「専門性の高い業界」である傾向が強いと思いますから。
例えひとつの業界での話であったとしても、「自分の価値を上げる」ということは必要不可欠であると僕は考えます。
「価値」を生むためには他の人の持っていない知識や技術などの「専門性」、それを活用するための「考える力」が必要なんです。
自分の価値を上げると考え方が変わり、余裕が生まれます。
いままで見えなかったものも見えるようになると僕は信じています。
「働き方改革」が進み、いままでの働き方が激しく変わるこれからの日本では「自分の価値を上げる」ことは必ず必要になります。
いままでの働き方の中で自分の価値は常に一定ではないのですから。
いままでの常識は変わっていくでしょう。
価値が高いものは価値が低いものを淘汰する
もしかしたらなにもしなくても、飲食業界のように元々専門性が高い業界はその技術のあり方から「業界自体の価値が高まる」という「進化」するかもしれません。
ですが、「進化」というものの中では常に「淘汰される存在」がいました。
それは歴史が証明しています。
「進化の中で淘汰されない存在」になるためには「他にはない(差別化された)専門性」がある必要があるのです。
そしてそれは現代社会において「価値のある存在」だと思います。
そして差別化する、専門性を持つということは「考える力」がなくては生まれないものなんです。
まとめ
いかがだったでしょうか
もちろん元から天性の才能を持っていたり、幼いころからずっと努力していて抜きんでた技術を持っている人もいると思います。
ですがあいにくと僕は「持っていない人間」でした。
そんな僕が必死に考えてみた
「これからの日本では“自分の価値を高める”必要があり、それには“専門性”と“考える力”が必須である。」
ということは伝わったでしょうか
伝わっていたら幸いです。